アクアリウム

激安水槽照明「ブラックボックス」で海水魚サンゴを飼育した結果

海水魚やサンゴ飼育で必須アイテムの1つとされているのが「照明」です

初心者にとって「どれにしたらいいかわからない機材ランキング1位」だと思いますが、値段が1万〜20万円と幅があり、失敗したくない機材でもあります

20万円の価値が初心者だった我が家にわかるはずもなく、その上長続きするかわからない趣味

我が家が初めて手を出した照明は「ブラックボックス」と呼ばれる謎の激安照明でした

お値段驚きの1万円・・・!果たして2年使ったその結果は!?

ブラックボックスは中華製の激安照明

ブラックボックスにも種類があり、波長とレンズに違いがあります
上記はUVなども含めた幅広い波長が入っており、かつレンズも拡散性の高いプリズムレンズが採用された、いわばグレードの良いものです


一方我が家が購入してしまったのはこちらのUVなどの波長が入っていない、かつレンズもプリズムレンズではなくストレートに光を照射してしまう、いわばグレードの悪いものです

賢い皆さんは前者を購入してください(涙)

さて、ブラックボックス最大の特徴は「価格」です

我が家は90cm水槽ですが、サイズに合う照明となると5万〜12万円ほどの照明をショップで勧められました

そんな高級機材の照明の中で、このブラックボックスは何と1万円ちょっとです

PPFD?スペクトル?初心者の頃は光のことがよくわからず、高額照明の価値がわかりませんでした

取り敢えず育ってくれれば、なんくるないさー!

とは言え信じられない安さに性能を疑ってしまうのですが、ネットを見ると意外と使っている方がいて、問題なく使えているという意見も見られたため、お試しで買ってみました!

2年使用した結果は、「サンゴ飼育可能」

何と間違ってグレードの低いブラックボックスを買ってしまった我が家

そのことに気づかず、UVをサンゴにお届けしていると勘違いして2年も使い続けていました

ですが、海水魚はもちろん、サンゴもソフトコーラルやLPS、一部SPSも問題なく育てられていますので、育てるだけならUVなんて気にしなくていいということが身をもって証明出来ました

一時期ミドリイシも飼っていましたが、色揚げはともかく飼育は普通に出来ていました(最後は水温上昇で白化しました)

ということで、我が家的には飼育するだけなら問題なく使える照明だと思います

<ブラックボックスの良い点>

・とにかく安い(1〜2万円)

・フルスペクトル(400〜700nmの波長)のLED

・ファンの音も静か

ブラックボックスの欠点

一方で、安さ実現のため余計な機能が削ぎ落とされていますので、お高い照明と比べると色々出来ないことや欠点があります

欠点①:色揚げは難しい

ブラックボックスで色揚げ出来ていると仰っている方もいらっしゃいますので、その方々を否定するつもりはありませんが、我が家ではブラックボックスによる色揚げは無理でした

ブラックボックスも種類があり、含まれている波長が異なるため一概には言えませんので、我が家の2年間の経験を参考として記載いたします

我が家で色褪せが顕著だったのは、「カクオオトゲキクメイシ」や「ハナサンゴ」で特に黄色がどんどん色褪せてしまいました

↓ブラックボックス時代

↓grassy core x120へ変更して2週間後

写真があまり綺麗じゃないので伝わり辛いかもしれませんが、口の中の黄色がなくなり、共肉に沿って黄色のリングがあったのも色褪せてしまったのが、照明をかえたらどんどん黄色が戻ってきました

黄色が色褪せやすかったのは、購入したブラックボックスにシアンという500nmの波長が少なかったからだと思います

新しい照明でシアンを当てたら数日で黄色が出てきました

欠点②:システムLEDではない

システムLEDとは、調光機能やタイマー機能が付いたLEDとなります

我が家で今使っているライトはこんな感じで朝6時にライトが自動で付いて12時に強い光に変わり、19時には自動で消灯する設定に出来ます

ブラックボックスにはそのような機能は一切なく、電源のON/OFFも光の強弱も手動です

光の強弱はどうしようもないですが、電源のON/OFFは、「コンセントタイマー」というものを買って自動化していました

水槽ライトのオンオフを自動化出来る!おすすめコンセントタイマー

欠点③:電源を2つ使う

意外と嫌だったのがコレです

ただでさえコンセントをたくさん使うマリンアクアリウムで、ブラックボックスは電源を2つ使います

照明を変えた時に、電源が1つで物凄くスッキリしたので、これはブラックボックスの欠点だと思います

それもあってか本体も少しでかいですが、これは高い照明なら必ずスリムというわけでもないです

欠点④:性能に関する情報が少ない

大手アクアリウムメーカーに比べ、スペックに関する情報が少ないです

例えば光の量(PPFD)について、我が家が今使っているgrassy coreは公式HPに数値の掲載がありますが、ブラックボックスにはありません

(出典:ボルクスジャパン公式HP)

スペクトルも同様です(ちなみにスペクトルはざっくり言うと波長ごとの強度を図示したものです)

(出典:ボルクスジャパン公式HP)

初心者のときはスペクトルやPPFDなんて意味不明なため、まったく気になりませんでした

というか気に出来ませんでしたが、サンゴの色揚げなどに拘りだすとこういった情報がないとめちゃくちゃ困ります

それぞれのサンゴに適した波長や光量があるため、波長や光量の詳細な情報がないブラックボックスでは調光が困難です

パーメーターという光量を計測する機器もありますが、8万円前後するため個人で持っている方は少ないかと思います

まとめ

<こんな人におすすめ>

・とにかく安く済ませたい

・サンゴの色揚げには拘らない

・お魚だけ飼育する

・手動でも気にならない

<こんな人にはおすすめ出来ない>

・サンゴの色揚げをしたい

・ON/OFFや調光を自動化したい

・アプリで操作したい