アクアリウム

誰もが一度は溶かす?ゆらゆら系サンゴのナガレハナ

サンゴ飼育をしていると誰もが一度は通る「ゆらゆら系」サンゴ

名前の通り水流でゆらゆら動く姿に癒やされるサンゴですが、その中でも代表的なのが「ナガレハナサンゴ」です

形やカラーバリエーションもそれなりにあり、値段も数千円〜数万円と幅が広いため初心者が手を出しやすいサンゴですが、飼育が難しいサンゴで一度溶け出すと持ち直すことが難しいことでも有名です

無謀な初心者代表の我が家、勿論手を出してたくさん溶かしましたので、実際飼育してみた感想や注意点をご紹介します

ナガレハナサンゴってどんなサンゴ?

難易度
水質耐性
必要な光
必要な水流
あった方が良い

ハードコーラル(硬い骨格があるサンゴ)の仲間で、その中でもLPS(Large-Polyped Scleractinian:大きなポリプのあるサンゴ)と呼ばれるサンゴの一種です

近縁種のハナサンゴやタコアシサンゴなどとまとめて「ゆらゆら系」や「チョウジガイ系」などと紹介されることもあるサンゴです

カラーはグリーンが多く、イエローやオレンジ、ベージュ、2色混じったものなどもあり、形状も組み合わせると意外とバリエーションがあり、コレクション性があります

そのため、ゆらゆら系だけを集めるアクアリストもいるぐらい魅力の詰まったサンゴです

(茎の部分にイエローの入ったナガレハナサンゴ)

一方で、スイーパーという触手を伸ばして周りのサンゴを攻撃したり、ブラウンジェリーという病気にかかりやすいなど、注意点も多いサンゴです

飼育は難しい

我が家はこれまで何度もナガレハナサンゴを溶かしてきました

溶かした経験を活かして、今は何とか飼育出来るようになりましたので、その経験から飼育の注意点をご紹介いたします

飼育して感じる注意点

光、水流、水質に注意が必要です

その上でブラウンジェリーになってしまった場合、いかに早くその部分を切除して元気な部分を救い出せるかが、ナガレハナサンゴの飼育では重要だと思います

赤枠の茶色くブヨブヨした部分がブラウンジェリーになったところです

写真はハナサンゴ(ナガレハナサンゴと同じチョウジガイ系のサンゴ)ですが、2株あった内の1株が茶色くブヨブヨして溶け出してしまいました

放おっておくともう1株に伝染しますので、水槽からそっと取り出し(撒き散らすのはNG)その株の元気な部分も含めて切除します

切除した部分がこちらですが、水槽から取り出すまでの数時間で茶色がかなり進行して半分ほど溶けてしまいました

ブラウンジェリーは早期発見、早期切除が大切です

残った1株は薬浴して水槽に戻すことで、今も元気に生き残っています

ちなみにブラウンジェリーになった原因ですが、光、水流、水質は特に変わっていませんでしたので、餌やりの際にスポイトで強く吹きかけてしまったせいだと思います

そんなちょっとした変化で調子を崩して溶けてしまったことが何度かあります

強い光が必要です

と言ってもSPSほどは必要なく、LPSの中では強めの光を好むという感じです

PPFD(簡単に言うと光量)は100〜200ぐらいが良いと言われていて、LPS中心の水槽では光量の強いライト直下や水槽上部に配置するアクアリストが多いです

ただし、調子が悪い場合やパステル系(写真右側のような個体)の場合は光量弱めのところから配置し、様子を見ながら開きが良ければ徐々に光量の強いところへ移していくのがおすすめです

我が家で使っているライトはLPS用のライトGrassy Core x120(SPS用はx200)ですが、高コスパでおすすめです

お値段を抑えたい方向けには、我が家で初めて買った1万円ほどのライトブラックボックスがおすすめです

水流

直撃しない強めの水流が必要です

上の写真は水流が直撃して溶けてしまったナガレハナサンゴです

ナガレハナサンゴなどのゆらゆら系さんごは、ゆらゆら部分にゴミが溜まるため、それを落とせるぐらいの水流が必要になります

とは言え直撃するとポリプが縮んだり、共肉部分が剥げたり、最悪我が家のように溶けてしまうこともあります

一方向だけの水流があたり続けるのも良くなく、左右に揺れるような水流をあててあげる必要があるため、この辺も初心者には難しい理由の一つだと思います

我が家で使っている水流ポンプはmaxspectさんのジャイル式ですが、プロペラ式と違って正回転と逆回転を交互にすることで、ナガレハナサンゴに優しい水流が作れておすすめです

水質耐性

弱いです

我が家ではドーシングポンプ(添加剤の自動添加機材)故障時に、硝酸塩が50ppmを超えたことがありますが、その際真っ先に溶けたのがナガレハナサンゴでした

同じゆらゆら系サンゴでも、タコアシサンゴやトランペットコーラル、ハナサンゴは生き残っていましたので、ゆらゆら系の中では水質に弱い印象です

 

あった方が良く開きます

あげていない時期でも元気でしたが、あげるようになってからは日中によくポリプが開くようになったと感じます

弱ったときのおすすめ

上記4つ(光、水流、水質、餌)がサンゴ飼育では重要ですが、それらに問題がなくてもサンゴの調子が悪い時があります

そんな時はサンゴの免疫力と活力をUPさせるリーフディップに浸けてみてください

必ず効果が現れるとは言えませんが、ショップの方におすすめされて我が家もこれで救われたサンゴがいくつかいます

サンゴ飼育をするなら必ず一本は持っておくことをおすすめします

(ディップ中のナガレハナサンゴ)

ブラウンジェリーで溶けた際も、切除して生き残った株をリーフディップに浸けると、水槽に戻したときに復活しやすいです

まとめ

難しいという話ばかりになってしまいましたが、上記を気をつけながらポイントを掴めば飼育出来るようになると思います

ゆらゆらする姿はSPSにはない癒やしがありますので、難しいものの入れて欲しいサンゴの1つです

フラグであれば数千円から入手出来ますので、まずは安めの個体で練習をおすすめします♪

お金に余裕のある方は、大きめの個体の方が強いので大きめがおすすめです♪