海水魚飼育を始めるべく、水槽を立ち上げてパイロットフィッシュを投入した1億円夫婦
※パイロットフィッシュ:水槽の立ち上げ時にバクテリアが繁殖して、飼育出来る環境かどうか試験運用するための魚
投入したのは以下の通り
・デバスズメダイ×3
・アカネハナゴイ×2
・ハタタテハゼ×1
これをご覧になった皆さんはこう思われたことでしょう・・・
パイロットフィッシュ買い過ぎじゃない??
・・・ごめんなさい、ごめんなさい、ショップに行ったらテンションあがったんです
飼育する者として失格です でも・・・いける気がしたんです(謎の自信
本日はそんなパイロットフィッシュのお話
投入初日 ~水合わせ~
ショップで購入後すぐに帰宅して水槽へ袋ごと浮かべました
いわゆる「水温合わせ」です
海水魚は水温差で熱帯魚以上にダメージを受けるとのことで、水温に気を付けるべし、とのこと
30分ほど浮かべて、水温が水槽の25度と同じになったので、次に水合わせを行いました
よく点滴法という水合わせを推奨されている方がいらっしゃいます
読んで字の如く、点滴のように水槽の水を混ぜていく方法ですが、否定される方もいらっしゃいます
点滴法推奨派の意見は、「PHショックをゆっくりやわらげられる」
点滴法否定派の意見は、「時間をかける方がかえって生体に負荷がかかる」
我が家は色々読んだ結果、否定派の意見の方が納得がいったので、点滴法ではなくスポイトでささっと水合わせしました
我が家のやり方は、ショップの飼育水を2/3ほど捨て、残った量と同じぐらいの水を、水槽からスポイトで投入
15分ほどしたら、中の水を半分ほど捨て、残った量と同じぐらいの水を水槽からスポイトで投入
更に15分ほどしたら生体を水槽へ投入
水温合わせも含めて1時間です
この方法で熱帯魚は上手くいってましたが、果たして海水魚はいかに・・・!?

元気に泳いでるー!デバスズメ3匹とアカネハナゴイの内1匹は元気に水槽を泳ぎ回っています

ハタタテハゼとアカネハナゴイの内1匹は岩の下を家にしてしまいました
仲間のアカネハナゴイそっちのけで、ハタタテハゼと暮らすアカネハナゴイ・・・めっちゃ癒される
投入2日目 ~餌と魚が体を擦る現象~
水槽へ投入してから2日目
初の人工餌を与えてみました
嬉しいことに、餌付けが難しいとされる海水魚飼育ですが、購入してきたお魚はみんなあっさり食べました
特にデバスズメがすごい デバスズメが上で食べつくしてしまうので、下にいるハタタテハゼまで餌が落ちていかない
しょうがないのでスポイトで水中に落としたら一生懸命食べていました
それすらデバスズメは食べにきましたけどね!どんだけ!
しかしこの日事件が起きました
アカネハナゴイが底砂に体を擦っている様子が何度か見られました
明らかに痒そうな様子 熱帯魚飼育では経験したことない事態で慌ててネット検索
白点病やらトリコディナ、寄生虫などなど色々な情報が引っかかりますが、ハッキリ特定が出来ずに数時間が過ぎました
そしたら今度はハタタテハゼも底砂に体を擦っているのを目撃!
これは病気が蔓延しているのか!?はたまた水合わせ方法が悪かったのか!?
焦るものの何の病気かわからず、対処法も絞れない状態
そうこうしていたらハタタテハゼは体を擦らなくなりました
アカネも餌は食べるし、体に白点やモヤなど見た目でわかる変化が見つからなかったことから、一旦様子見をすることにしました
投入3日目 ~アカネハナゴイの不調~
3日目、餌を1日2回あげていますが、この日はアカネが2回とも食べませんでした
もう一匹のアカネは元気に泳いで餌もよく食べます
正反対に、痒そうなアカネはエサも食べず、岩の下でじっとしている時間が長くなってきました
時々外に出てきて泳ぐのですが、明らかにその時間が減ってきています
これはマズイ・・・!
熱帯魚飼育において、餌を食べなくなった子が回復したケースは稀でした
早急に手を打たないと☆になる予感がして、この日もずっと先輩方のブログを読んで、似たような状態になった方を探しました
その中で症状が近い方がいました
その方曰く、「寄生虫」だそうです
見た目は変化がない、エラのあたりを擦る、目に寄生虫が入ると黒目が欠けて見える、魚の導入時もしくは導入後に寄生虫が付着しやすい貝類を入れたなど
心当たりが多い・・・!寄生虫の場合は「淡水浴」をして、塩分濃度の差で寄生虫を対外に出して殺すという方法がいいそうです
ただし、淡水浴はお魚にも多大な負担のかかる方法で、元気な内はともかく、餌も食べずに弱ってきた生体に行うのはとどめを刺すようなものだと主張する方もいます
どの道、淡水浴を行うのに必要な調整剤(水道水をアルカリ性にするもの)やPH測定器がなかったため、この日は出来ずに様子見となりました
投入4~5日目 ~泳ぎ方に異変~
淡水浴を行う道具が届くまで様子見が続きました
すると5日目
なんとアカネが餌を食べました!
あれ!?まさか自力で寄生虫取った!?
嬉しさと安心でほっとしました
・・・が、観察しているとやっぱり底砂に擦っている
そして夕方になると事態が悪化

胸ビレが片方動いてない!
右の胸ビレがずーっと開きっぱなしで、傾いて泳いでいました
アカン・・・これはもうアカン・・・
でも餌は食べてるし・・・どうゆう状況!?
投入6日目 ~淡水浴決行~
6日目の朝、泳ぎ方や擦るのは相変わらずでしたが、また餌を食べなくなりました
そしてこの日とうとう淡水浴の道具が届き、淡水浴が出来る状態となりました
夜に餌を食べなかったら決行することを決意
いざ夕食タイム!
食べません
というかもう家から出てくる様子も見せなくなりました
ここまでくると、淡水浴でとどめを刺してしまう可能性もありましたが、決行することにしました
手順は以下の通り
①バケツにカルキ抜きした水道水を用意
②水温を水槽と同じ25度に合わせる
③中和剤でアルカリ性(PH8.2)へ水質を調整
④アカネを投入
⑤10分後水槽の水をバケツの水と同じ量だけ入れて1/2海水にする(水合わせ)
⑥30秒後水槽へアカネだけ戻す
こんな感じです
ドキドキしながらアカネを淡水へ投入しました
すると!!

なんか出てきたーーー!!
目から白いものが浮き出てきました
先輩アクアリストの方のおっしゃる通りでした
淡水浴してわずか1分で白いものが浮き上がってきてポロっと剥がれ落ちました
淡水浴は生体のサイズによって長さが変わるそうで、我が家のアカネは6cmほどだったため10分が推奨されていました
ただ、1分で剥がれ落ちてからは特に浮き出る様子はなく、8分で切り上げて海水を足しました
その後アカネを水槽に戻した後にバケツを見ると・・・

右の胸ビレのとこからも寄生虫が剥がれ落ちていました
右の胸ビレが開きっぱなしだったのはこいつのせいかな?!
水槽へ戻したアカネは、この日は家でじっとしていて快復したかわかりませんでしたがよくなってるといいなぁ・・・
投入7日目 ~アカネ復活とまさかの事態~
淡水浴決行の翌日
朝水槽を見ると・・・アカネがめっちゃ泳いでるー!
しかもヒレも普通に動いていました
良かった 本当に淡水浴して良かった 寄生虫にずっと蝕まれてたんだね・・・
餌の時間も出てきて、少しですが食べていたので一安心しました
今後のためにも、淡水浴の方法が学べたのも良かったです
パイロットフィッシュを導入して丁度1週間経ちました
この間アカネに苦労していましたが、水質は毎日チェックし、アンモニアや亜硝酸塩が溜まっていないことも確認出来ました
無事に水槽は立ち上がっているようで、お迎えしたかった他の子達も導入することが出来ます
喜んでいた矢先、事件は起きました
元気だった方のアカネが☆になりました
原因は・・・水槽からの飛び出しです
蓋はついていたのですが、真ん中に少し隙間が空いていて、どうやらそこから飛び出したみたいです
油断しました
隙間があるものの、さすがにこんな小さな隙間なら大丈夫だろうと甘く見ていました
せっかく不調だったアカネを救えたのに、油断で元気なアカネを☆にしてしまいました
先輩アクアリストもよく飛び出し事故の記事を書いていますが、まさか一応蓋している自分が・・・でした
皆さんも絶対に完全に隙間のない蓋を用意しましょう
そして今回アカネの話ばかりでしたが、この色々あった1週間
デバスズメはまったく不調もなく、非常に飼育が楽だと感じました
パイロットフィッシュとしてデバスズメは最強だと思います
ハタタテハゼもいいと思いますが、若干餌取りが下手なので、スポイトで下に落としてあげるなど、工夫が必要だと感じました
アカネハナゴイは個体によると思います
この後もアカネを追加で2匹導入しましたが、追加の2匹は餌を全然食べてくれず、隠れてばかりでした
圧倒的にデバスズメが楽だと思います
まとめ
・パイロットフィッシュには「デバスズメダイ」がオススメ!
・地面に体を擦る時は要注意
・寄生虫は淡水浴が効果大、ただし生体の体力も奪うため注意が必要
いかがでしたでしょうか?
海水魚水槽の立ち上げは昔より簡単になりましたが、それでも非常に慎重に行う必要があります
地面に体を擦る症状が見られた際には参考にしていただき、1匹でも多くのお魚を助ける役に立てば幸いです